譲渡の前に、“この子と暮らす未来”を考える時間を。

犬や猫を家族として迎えるとき、目の前にいるその子を見れば、「一緒に暮らしたい」と思う。
その気持ちは、とても大切なものだと思います。
一方で、犬や猫との暮らしは、その日から何年も続いていきます。
仕事が変わるかもしれない。
引っ越すかもしれない。
家族構成が変わるかもしれない。
自分自身が病気になることもある。
そして、その子も年齢を重ねます。
病気になることもあれば、介護が必要になることもあるでしょう。
迎えるときにはまだ見えていない出来事が、これから先の10年、15年の間にはいくつも起こります。
だから、譲渡の前にほんの少しだけ、「この子と暮らす未来」を考える時間があってもいいのではないか。
そんな発想から生まれたのが、「ペット想い暮らし未来記」です。
15年を、少しだけ先に体験する
「ペット想い暮らし未来記 ― この子と暮らす15年 ―」では、犬や猫を迎えたあとの暮らしを疑似体験していきます。
出会いがあり、一緒に暮らし始め、その子が成長し、年齢を重ねていく。
その間には、自分自身の暮らしにもさまざまな変化が起こります。
もちろん、そこで描かれる未来が実際にそのまま起こるわけではありません。
未来を予言するサービスでもありません。
大切なのは、
「もし、こんなことが起きたら自分ならどうするだろう?」
と、一度考えてみることです。
「正しい飼い主」を判定したいわけではありません
もう一つ、譲渡前のためにつくったサービスが「ペット想いご縁ナビ」です。
暮らし未来記で未来を疑似体験したあと、自分の暮らしや環境、迎えることへの考えを整理していきます。
ただし、ご縁ナビは「あなたは飼っていい」「あなたは飼ってはいけない」と判定するサービスではありません。
まして、保護団体に代わって譲渡の可否や優先順位を決めるものでもありません。
目指しているのは、答えを出すことではなく、対話のきっかけをつくること。
自分では「大丈夫」と思っていたことも、問いかけられて初めて考えることがあるかもしれません。
逆に、不安に思っていたことを整理することで、「こう準備すればいい」と見えてくることもあるかもしれません。
その内容をもとに、里親希望者と保護団体が話をする。
そんな使い方ができないかと考えています。
譲渡する側にも、迎える側にも
保護団体には、それぞれ長年の活動から培われた譲渡の考え方や基準があります。
それをペット想いのサービスに置き換えたいわけではありません。
これまで行われてきた面談やアンケートなどに加えて、迎える人自身が未来を考えてから対話に臨むための、もう一つの材料として使ってもらえないだろうか。
それが、この二つのサービスで試してみたいことです。
犬や猫を迎えることを、難しくしたいわけではありません。
むしろ、迎える前に考える時間をつくることで、
「この子と一緒に暮らしていこう」
という気持ちを、もう少し確かなものにできたらと思っています。
この子との時間を、ずっと想う。
その時間は、家族になる前から始まっているのかもしれません。

